思い通りにいかないときは

思い通りにいかないとき、
あなたはどうしていますか…？

のんびりと構えられる時もあれば、
そうも言ってられない時もあるかもしれません。

うまくことを運べない自分を、つい責めてしまったり。

だけど、思い通りにいかない時って、いろんないい気づきが出来るチャンスかな、と感じています。

自分が都合良く考えていただけだったかもしれないし、

自分がただ単に力不足だったからかもしれないし、

シンプルに、そうならない方が良かった場合もあります。

このことで良く思い出すのが、20年くらい前に、訪問看護をしていた時。

ある高齢の患者さんご夫婦のキーパーソンは、その方の甥御さんでした。
（その患者さんご夫婦にはお子さんがいらっしゃいませんでした。）

その甥御さんは、定年退職したら、タイやインドネシアに移住し、悠々自適の海外での老後を過ごそうと考えていた方でした。

しかし、その甥御さんは、身寄りのない患者さんご夫婦の後見人になってしまったがために、夢の海外生活を断念し、日本に残ることになりました。

その患者さんご夫婦は、元々の自分勝手なご気性に加え、認知症をそれぞれ発症していたため、
周囲とのトラブルが絶えない方でした。

自分の感情を抑えられなかったり、
認知症ゆえに、道理が通らないことは日常茶飯事、
妄想も酷かったので、ヘルパーさんはいつも身の潔白を証明できる状態でなければ、そちらのお宅ではお仕事が出来ませんでした。

また、介護ヘルパーさんを召使いや女中扱いしてしまうため、ヘルパー事業所からのクレームが絶えず、
いつもその甥御さんはその対処にご苦労されていました。

「こんなことは言いたくはないですが…。

叔父・叔母さえ居なければ、自分は海外で自由に暮らせていたかと思うと、やりきれないです。」

と疲れ切った表情で、よくお話になっていました。

しかし、その2年後。

患者さんご夫婦は、それぞれ手厚い介護が受けられる施設へ入り、

甥御さんが移住しようとしていた土地では、政変や天災が相次ぎ、

「もし、あの時、予定通りに海外に移住していたら、命や財産を失ったり、取り返しのつかない、大変な目に遭うところだった。
やはりあの時、日本に残って良かった」

と言うことが判明しました。

もちろん、その後も甥御さんご家族は日本でゆったりとお過ごしになられていました。

このケースのように、

短期的な目で見ると、損をしたように見えても、
長期的な目で見ると、実はその方が良かった、あの時、思い通りにならなくて良かった、ということがあります。

近視眼的になるのではなく、
大きな視点で物事を見ていけたら良い、

と言うことを体感するようなお話でした。

「その時その時で自分の役割を全うすると、ちゃんと次のステップって、用意されているんだなあ」、と感じました。

今、八方塞がりに見える時も、
必ず、先の光につながっている糸は、必ずあります。

自分を信じて、前に進んで行きましょ！